ウクライナでの戦争について

テレビの番組で、ウクライナEUから100万発の砲弾を供与すると言っていたのだが、これに対してロシア軍は100万発など3ヶ月で使い切ってしまう、と軍事の専門家の人が言っていた。これを聞いて、ロシアというのはそれほどの国なのか?と言う疑問が湧いた。なぜなら、ロシアの経済力は韓国よりも劣るとされているのだが、韓国はロシアの3分の1しか人口がいない。韓国のような国も小さくて存在感もさほど無い国よりもロシアのGDPは低いのだ。そんな経済力の低い国が100万発の砲弾を3ヶ月で使い切ってしまうと言うのは信じがたい。ま、ロシアは軍事大国でもあるので、軍事にかける予算が日本などとは比較にならないほどに多いことから、これまで長年にわたって備蓄していた弾薬が大量にあったので、と言うことなのかも知れない。ネットで見ると、砲弾というのは1発30万円位から100万円位まであるようなのだが、仮に1発100万円だとすると100万発と言うことは1兆円と言うことになるのだが、戦争には砲弾だけではなく銃弾もミサイルも戦車や装甲車などの様々な戦争を遂行するための装備なども必要になるし、兵士の給料も支払わなければならないというのに、韓国程度の経済力しか無い国が3ヶ月で100万発も砲弾を撃つと言うことを続けることが可能なのか?
最近では北朝鮮などから砲弾などを買い集めているという話もあることから、備蓄は底をつき、自国の生産では間に合わなくなっていると言うことのようなのだが、備蓄がたっぷりあった頃には3ヶ月で100万発などと言うことも可能だったのかも知れない。でも、最近では備蓄が底をついてしまったために、他国から融通して貰わないと最前線での要求に応じられないという状態になっている。プリゴジンが弾薬が全く足りていないと言って軍の中枢にいる者どもを罵倒していたことからも、ロシア軍は弾薬が足りていないと言う状態になっているものと思われる。
思うように弾薬を調達できなくなったからこそ、開戦時のような勢いは失われ、今や前線を保持するのが精一杯という状態になっているのだろう。
私個人としては昨年の今頃には確かに猛烈な勢いで次々にミサイルや砲弾をウクライナの戦場だけではなく市街地や住宅地にまでも撃ち込んでいたが、全く非人道的でほんとうにロシア人というのは野蛮人そのものだと思ってみていたものだった。住宅地の集合住宅にミサイルを撃ち込んだら、そこに住んでいる大勢の市民が死ぬに決まっているわけで、その中には女子供もたくさんいるのだが、ロシアの野蛮人にとってはウクライナの人がどれほど殺されようが気にもならないらしい。むしろ、人が集まる駅やスーパーマーケット、レストランと言ったところを狙ってミサイルを撃ち込んでいることから、ロシア軍の考えとしては、1人でも多くのウクライナ人を殺してしまいたいと思っているらしい。
まさに、19世紀の皇帝が行っていたことを21世紀の今も、当時と全く同じことをやろうとしている。しかし、19世紀の軍事能力と今とでは破壊力は桁違いだというのに、ロシア人の多くの愚かな民衆は19世紀の頭と何も変わってはいない。
この戦争をマスコミはプーチンの戦争と言うが、この表現は完全に間違っている。プーチン政権は、ロシアの圧倒的多数の愚かな民衆が言ってほしいと思っていること、聞きたいと思っていることを言っているのであって、プーチンは愚かな民衆が望んでいることをしているだけのことなのだ。だから、例えプーチンが今急死したとしても、事態は殆ど何も変わらないと言われている。むしろ、より急進的な考えの人物。メドベージェフのような人物だが、彼は自身のSNSに「私が生きている限り、彼らを消滅させるためには何でもする」と書き込んでいるような男だ。 
かつてスターリンウクライナに住んでいる人々を狩り集めて全てシベリアに送ろうとした。しかし、数千万人の人間の輸送をウクライナからはるばる遠方のシベリアにまでというプロジェクトを実行するには、あまりにも費用がかかりすぎると言うことで断念したということがあった。ロシア人にとっては、ウクライナのような平坦で肥沃な土地にウクライナ人が住んでいるのは我慢がならないので、メドベージェフのようにできれば全ての人を殺すかどこかに逃げるかして、消し去ってしまいたいと思っていることは確実なのだが、ロシア人以外の人間にしてみたら、一体ウクライナ人が何をしたというのかと言いたくなる。ウクライナ人はロシア人によって迫害を受け続けてきたのであって、むしろウクライナ人はロシア人に恨みがあったとしてもロシア人に恨まれる筋合いはないのだが、大国意識に凝り固まったロシア人にとっては自分達に奴属するのなら良いが、反抗するのなら許さんという19世紀的な発想にとらわれているらしい。それにしても21世紀の今に至っても、19世紀の野蛮な考えにとりつかれているというのは異常としか言いようがないし、こんな考えを実現させては絶対にいけないのだ。

昨年の今頃に思ったのは、ロシア軍が好き勝手にウクライナで虐殺行為を行っているが、これほどまでに激しい砲撃やミサイル攻撃を続けていたら、いつかは砲弾もミサイルも在庫がなくなるだろう。ミサイルの在庫がなくなる時期は多少遅いか速いかはあっても、必ずそうした日は近いうちに来るのだが、そうした自覚が狂ったように砲弾やミサイル攻撃を行っている野蛮人の頭にあるのかが大きな疑問だった。
ロシアの軍部の中枢にいる者に多少なりとも頭があるのなら、勝つためにはどうするかと言った戦略的なことを考えるものの筈だが、そうした戦術と言ったものが全く感じられない。むやみやたらにミサイルを市街地や高層住宅に撃ち続けて無抵抗の一般人の家を破壊し、そこに住んでいる人々を殺すことは彼らにとっては快感なのかも知れないが、とんでもない量の砲弾とミサイルを撃ち込み続けていれば多くの人々を殺すことはできたとしても、数千万人ものウクライナ人の全てを殺すことなどできる筈も無い。逆に、戦争なんて嫌だと言っていた若者の心を奮い立たせることになる。
ただ、むやみやたらとミサイル攻撃を一般人が住む地域に打ち込んで、街を廃墟にしたところでウクライナ人の怒りを買うだけのことでしかなく、戦争に勝つための戦略とはかけ離れているとしか思えない。こうした勝つための戦略を軍部の中枢にいる者が理解し、ミサイルなどの攻撃用武器を効果的に使って戦いを有利にしていくといった軍事的な作戦遂行能力が極めて貧弱だとしか言いようがない。
ま、シリアやチェチェンではこうした都市全体を爆撃によって破壊し尽くし、大量の市民を殺すというやりかたが功を奏したのだが、シリアもチェチェンイスラムだ。アメリカ軍がシリアに入って、多額の資金を投じてシリア人を集めて軍事訓練などをやったり、高性能の武器を与えたりしたのだが、いつの間にかみんないなくなってしまう。こうしたずるくて腰抜けが圧倒的多数という国では、ミサイル攻撃によって都市を廃墟同然にするというやり方は効果があったのかも知れないが、ウクライナ人はイスラムではない。
ロシアがウクライナに侵攻してきた直後には、NATOの国々もシリアのようになるのではないか?と思っていたようなのだが、ウクライナの人たちは俺たちは腰抜けではないという気概を見せたことから、これは援助のしがいがあると言うことになって、NATOからの援助の規模がどんどん大きくなっていった。その結果完全にロシア人の思惑は外れ、戦いに勝つ見込みがなくなってしまったのだ。
もし、最初の半年位はNATOからの武器の援助もたいしたことが無かったので、あのときに住宅地にミサイルや砲弾を撃ち込むと言った戦略的には無意味なことをしていないで、ウクライナ軍の陣地に向けて集中攻撃をやっていたらあるいはということも考えられたが、ロシア軍はシリアやチェチェンでの結果に勝ちの夢を重ねていたとしか思えない。そうした戦略とはほど遠い無意味な攻撃を続けたことによって、NATOからの援助が間に合うことになってしまい、もはや勝てる見込みはなくなり、ひたすら占領した地域を防御するだけといった惨めな状況になってしまったのだ。まさに、日露戦争と同じで傲慢が墓穴を掘ることになり、こうしたことがプリゴジンの反乱という茶番まで引き起こすことになったのだと思われる。

日露戦争でも軍備の面でも戦力の面でも圧倒的にロシアの方が有利だったにもかかわらず、日本軍との戦いでは旅順で負けに負け、その後も負け続けるということがあったし、独ソ戦でもロシアが勝てたのは自然現象によるものであって、ロシアの厳冬期に対する対策がドイツ軍に不足していたから寒さによって兵士がまともに戦えなくなってしまい、ドイツ軍が敗退したのであって、ロシア軍が強かったからではない。
その後に起きたアフガンの戦いでもロシアは勝つことができなかった。
1対1の戦いでは、ロシア軍は歴史を振り返ってみればすぐにわかることなのだが、とても強いと言えるような状況では無かったのに、そのことを全く学習していないな、という感じを持って見ていたものだった。

とにかく、アメリカのような軍需産業が世界一発達している国でさえウクライナへ砲弾を送り続けているうちに、砲弾が足りなくなってきてしまい、日本や韓国に砲弾を回してくれるように要請しているという話もある位なのだ。ウクライナはG7という最も裕福な国がバックについているというのに、それでもロシアと比べると弾薬の使用量が桁違いに少ないとされているわけで、逆に言うとロシアの野蛮人は後先考えないでミサイルや砲弾をまるで無尽蔵にあるかのような勢いで使い続けてきていたのだが、今年に入ってついに備蓄が底をついたと思われる状況になっている。ロシアにはG7のような国はないので、弾薬や自爆ドローンを確保するには自国での生産は言うまでもないが、自国の生産で間に合わない部分については、お金を出して北朝鮮やイランなどから買ってこなければならない。元々たいして裕福でもない国なのに、先進国から経済制裁を受けているという大きな重荷を抱えながら巨額の軍事費を注ぎ込んで、戦いに必要な武器や弾薬を確保し続けなければならないのだ。勿論弾薬だけではなく、半導体も闇のルートで買わなければならない。中国からの闇ルートが指摘されているが、中国国内で最先端の半導体を買おうとすると、通常の2倍の価格になる。中国は欧米や日本から軍事転用が可能な半導体の輸入制限を受けているからだが、こうしたものをロシアが手に入れようとすると、足下を見られるので2倍では無理で、数倍の価格で買う羽目になる。中国にある物自体が正規の取引で手に入れたものでは無いので、当然買える量は限られている。このためにロシアの周辺の国々から密売という形で手に入れなければならない。そうした手に入りにくい物をようやく手に入れて、半導体を使ってミサイルなどを作っても、あっという間に血に飢えた戦闘員によってミサイルはウクライナの上空に消えて無くなってしまうのだ。
とにかく、プーチンが軍需工場を回ってハッパをかけても、いくら気合いを入れて戦車や装甲車などを作ってもすぐに破壊されたりしてなくなってしまう。北朝鮮やイランなどから泣け根無しの外貨を使って弾薬などを購入しても、すぐに最前線では使い切ってしまう。こうした軍需物資を作ったり兵器を買ったりするには莫大な資金が必要になるのだが、いったいいつまで資金が続くのかがロシアにとっての大きなアキレス腱だろう。
一方でウクライナはG7からの援助で、殆どお金を出さないで弾薬や戦車、ミサイルなどの高額な武器などを手に入れることができている。この差はとんでもなく大きいのではないのか。専門家の人たちは、この戦いはマラソンだとか長引くと言っているが、そんなに長くロシアは戦闘能力を保持し続けることができるのか?
ロシアが確実に外貨を手に入れることができるのは原油天然ガスだけだが、天然ガスはドイツなどの最もお得意さまであったはずの国を敵に回してしまったために、中国しか買ってもらえないという状態になっている。ロシアのガスは、パイプラインで送るのがメインだからだ。原油については、ロシア経済としては戦争がない平常状態でも1バレル70ドル以上で無いとやっていけないと言われている。所が、今はWTIの価格が70ドル前後で取引がなされている。しかし、ロシアは先進国から経済制裁を受けているので、原油を2割から3割ほど安く買いたたかれているという状態だ。3割引では50ドルにしかならない。こんな状態でどうやって膨大な戦費を賄い続けるというのだろうか?
今でも多くのロシアの若者が国を出て行ってしまい、様々な分野で人が足りないという状況になっている。軍事物資を作るための人材すらも足りていないという状態だというのだ。しかも、今現在ウクライナの大攻勢で、両軍の兵士が大量に死傷しているという状況だ。これで、また兵士が足りなくなったので、兵士が必要だと言って強制的に集めるなどと言うことをしたら、残っている多くの若者が逃げ出してしまい、日々の生活に必要な物資を生産する人材も足りないと言う状況が加速し、ロシア経済は大混乱になることは確実だ。要するに、マスコミに登場してくる軍事専門家が言うほどそんなに長い間ロシアは戦争を続けられないのではないかと言うことがある。
私は、専門家の人が言うほどに何年も戦争が続くとは思えない。太平洋戦争時の日本のように、経済が壊滅状態になっても戦争を続けることができるのか?戦死者が山ほど出ても勝つまではなどと言い続け、民衆がそれに従うのか。ロシア人は日本人ほど馬鹿では無いし、日本人ほど胆力が座っていないと思う。また、太平洋戦争時と違い、今はインターネットで情報が入って来るからなおのことだ。ロシア政府がプロパガンダをいくら流し続けて、愚かな一般大衆が政府のプロパガンダを信じ続けていたとしても、若者の場合にはロシアの外にいる友達などからいくらでも情報が入ってきてしまう。中高年の愚かな民衆が政府からのプロパガンダを盲目的に信じ込んでいたとしても、経済が壊滅状態になり、戦死者が目に見えて多くなれば、ロシア国内で反乱が起きるのではないか。もうすでにウクライナ側に立ってロシア領内に攻撃を加えている者どもがいるが、こうした勢力に加わる者がロシア国内で激増するのではないか。従って、今年中は何とかがんばれたとしても、来年はもうロシアは戦争遂行能力がなくなっていくのではないかと個人的には思っている。

考えてみれば、100年以上も前に起きた日露戦争の時もロシアは武力でも戦闘員の数でも圧倒的に勝(まさ)っていたはずなのに、日本という当時は貧しくて大型の軍艦も武器も買えないというようなちっぽけな国に負けたのだ。その原因については、様々な理由が言われてはいるが、一番大きな要因はロシアが世界中から嫌われていたことにある。嘘つきで、約束を守らない国だと言うことから世界中から嫌われていたことが、バルチック艦隊の敗北に繋がった。
バルチック艦隊が壊滅したことで、日本という島国に攻め込む手段も手立てもなくなってしまい、これ以上戦争を続ける意義も意味も失ってしまった。ロシアの戦争目的としては、日本を植民地にすることで真冬でも凍らない軍港を手に入れたいと言うことがあったはずだが、軍艦が1隻もないのでは日本に攻め入る手段が皆無だ。
しかしながら、ロシアとしては日本に負けたわけではない。日本に攻め入る手段がなくなったので戦争を止めるしか無くなっただけなのであって、ロシア領に日本軍が侵攻してきたために降伏するしかないというような状況ではない。従って、負けたという意識はロシア側にはなかった。このために、日本が要求する戦後賠償は一方的にはねつけて、全く賠償を行おうとしなかった。このあたりのことを理解する頭のない日本の馬鹿マスコミが、いつものように巨額の賠償金の要求をするべきだと言ってあおり立てたものだから、戦後の対応については愚かな民衆が騒ぎ立てたと言うことがあった。要するに、現実を見ないという点では今のロシアの民衆と同じなのだ。

バルチック艦隊は、ヨーロッパからアフリカの喜望峰を回ってアジアの端に向かうというとんでもない長距離の遠洋航路を行ったのだが、この長い航路の間援助の手をさしのべてくれたのはドイツだけだった。ドイツの皇帝とロシアの皇帝が仲が良かったからなのだが、哀しいことにアフリカの殆どをイギリスとフランスが植民地にしていた。イギリスは日本と軍事同盟を結んでいたので問題外だが、フランスも自国の植民地の港にバルチック艦隊が入港することを認めてくれなかった。フランスの植民地の港に入ろうとすると、入港を拒否され、直ちに出て行くようにと追い立てられた。フランスとロシアは軍事同盟を結んでいたのに、フランスの植民地に近づくことも認めようとしなかったのだ。おそらく、イギリスはフランスに向かってイギリスとロシアのどちらにつくのかと問われたのだろう。これに対してロシアと軍事同盟を結んでいるからロシアに、とは言えなかったものとみえる。あんな約束を守らない嘘つきと一緒になるのか、と言われたくなかったのだろう。その結果、バルチック艦隊はヨーロッパから日本海までまともな港に入って休養することができないままはるばると地球を半周する距離を経て日本海まで来たのだ。
しかも、当時の船は石炭を燃料として動いていたので、アフリカ大陸を回って来る間に何度も兵隊たちは、かんかん照りの中を熱波にさらされながら重い石炭の積み込みを、港でなくドイツが手配してくれた石炭を積んだ小さな船から揺れる外洋の中で背の高い軍艦まで石炭を運び込むという重労働を行わなければならなかった。まさに、下っ端の兵士にとっては、不満たらたらの状態で日本海に入ってきたのだ。さらに、船という物は何ヶ月も海に浮かんでいると、海藻や貝などが船底に付着する。こうしたものが付着したままでは船のスピードが落ちてしまうので、定期的に港に入って付着物を落とさなければならないのだが、アジアも殆どがイギリスとフランスの植民地ばかりなので、港に入港して船員の休息をかねて船の付着物を落とすと言うことをしたかったのに、それができなかったのだ。
こうした状況があったために、ロシアの兵士は不満と疲労を抱えるだけ抱えた状態で日本海に入ってきたのに対して、日本軍はイギリスから最も上等の無煙炭という煙があまり出ない上に火力が強いという軍艦にとっては最高の石炭を譲り受け、兵員も休養たっぷりという状態だったのだ。こんな状況でロシアが勝つなんて、後から考えたらあり得ないことだったのだが、ロシアという大国が日本のようなちっぽけな国に負けるはずがないと世界中の人が思っていた。勿論、ロシア人はもっとはるかに自信を持っていた筈だし、バルチック艦隊の乗組員たちもそう思っていたに違いない。完全に日本という国を見くびっていたので、遠洋航海の途中で砲撃の練習をすると言ったことは殆ど無かった。逆に、日本はこの戦いに負けたら確実にロシアの植民地になってしまうと言うことから、必死の思いで砲撃の練習を続けていたのだ。こうしたことを知った上で現実に起こったことを見ると、当然の結果かなと思うしかない。まさに、イメージと実態が、これほどまでにかけ離れた海戦も少ないのではないか。
砲撃の練習など殆どやらないまま相手をなめきって戦闘に突入したロシア艦隊。こうした傲慢な態度の結果はすぐに現れた。人によっては海戦30分で勝負がついたと言われるほどで、世界に名をとどろかせたバルチック艦隊は日本艦隊に一方的にやられっぱなしの状態になり、朝もやに包まれた中で始まった戦闘は、日暮れには完全に決着がついてしまっていた。ロシアの軍艦でまともに戦える物は日が暮れる頃には無くなり、殆どが大破し沈没したか沈没していない物はただ浮かんでいるだけの状態になり、酷い損害を受けていないものは、フィリピンに逃亡してしまった。当時のフィリピンはアメリカの植民地だったので、フィリピンに逃げ込んだロシアの軍艦は、アメリカ軍によって直ちに武装解除を命じられ、何の役にも立たない船になってしまった。
なぜ、このようなことになったのかは、言うまでもない。嘘ばかりをついて約束を守らない。どんな恥知らずの嘘やばかげたいいわけも平然と言い放つ。こうしたロシア人の性格というか体質は、皇帝の時代から共産党の時代になってもプーチンの時代になっても何も変わることが無いままなのだ。
今回のウクライナの侵攻についても、ウクライナに攻め込むような国があったら結束して守ると、ロシアとアメリカ、それにイギリスがブダペストで覚え書き作って世界に向けて約束したのにもかかわらず、今回平然と約束を破ってウクライナに軍事侵略を始めた。その言い訳が西側が攻めてきたからだというのだが、こんな見え透いた子供でも恥ずかしくて口に出せないような大嘘を堂々と言えるのは、世界でもロシア人だけだろう。
共産党時代には、日本と不可侵条約を結んでいたのに、太平洋戦争で日本の負けが誰の目にも明らかになると、不可侵条約を破って日本軍に攻撃を仕掛けてきた。皇帝の治世にあろうと共産党の治世にあろうとロシア人はロシア人なのであって何も変わらない。彼らは、息を吐くように嘘を言い、約束を踏みにじる。彼らロシア人にとっては、どのような時代になろうが病的なまでの大嘘つきという本質は何も変わらないのだと言うことを、いつの時代にも実際の行動で教えてくれている。